累進課税の理由はなんだ

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/58/index.html
年収300万円時代がどうとかいって有名な森永卓郎さんが書いた記事が話題になっているらしい。これによれば、日本の税制は低所得者に優しい制度だと思われてるけど、税金とも言える年金や健康保険料とかも考えると、低所得者のほうが税率が高くなるのだそうだ。
まあ、そうかもしれないけれど、そもそも良くわからないのは、なぜ低所得者より高所得者が税率が高いのか、というその理由。もし同じ税率であっても、収入が多ければ払う税金は高くなるんだから、それでいいんじゃないのか。自分も貧乏というか、たいした収入も無いから、どっちかといえば「金持ちはもっとかね払って俺たちを楽にしろよ」派に入るべきなのだろうが、そうはいってもなんだかそういう貧乏人の論理みたいなものに、不快感に近いものも感じる。
金を持っている人は、がんばったから、金持ちなのじゃないだろうかね。森本さんの話では株でぼろもうけしやがって、汗水たらして働いている俺らよりも税金多く払って当然だろ、という話が出ているけど、これは「頭脳労働よりも肉体労働のほうが働いてる感が強いしえらい」という価値観なのか?
金を稼ぐ方法にはいくつかあって、最もばっさり分けると「頭を使う方法」と「体を使う方法」がある。で、「体を使う方法」のほうが圧倒的にわかりやすい。「頭を使う方法」のすごさ、というかその大変さはある程度の頭を持っていないと理解できないという欠点がある。しかも頭を使う方法のほうが実は儲かる。
たとえばはてな内で言えば、こんな質問があって、以下のような答えがあった。
http://q.hatena.ne.jp/1148973626

コンピュータの知識はあるが、逆に言えばコンピュータ系(コンピュータやゲームなど)の知識しかないところ。それなのに、何を勘違いしてか、コンピュータができる=仕事ができると勘違いしているのはやめたほうがいいと思う。コンピュータができるのはそんなに大したことではない。100Mを10秒で走れる方がはるかにすごい。ビルゲイツよりもイチローの方がすごい。だって、これから先、何年も努力すればビルゲイツにはなれるかもしれないが、イチローには絶対になれない。
IT 関係の業界にいると、こういう人は結構多くて、体育会系の私からしてみれば、一緒に飲みに行こうとは思えない、人間的につまらない。コンピュータ以外で趣味をもった方がいいし、恋愛もたくさんした方がよい。こいつにはこの先どんなに努力していても勝てないな、と思う奴に出会ったことがない。逆に、全然違う業界にいて、コンピュータをやっている人の方がはるかに怖い。

これは、本人も体育会系といっているけど、「頭を使った仕事」が理解できていない典型的な例だと思う。
共産主義社会主義も、理想は立派な雰囲気もあるけど、これまで革命によってそれを実践した国を見ると、頭のいい扇動者が「頭を使った仕事」を理解できない人たちを扇動して「あいつらは不当に稼いでいる」といって国を転覆させるわけだけど、結局そういう人たちは頭がよろしくないので、扇動者の食い物になっちゃったりして、みたいなところがあると思う。
話がそれたが、結局「なぜ高額所得者は税率が高くないといけないのか」の理由がわからないままだ。貧乏人のやっかみ、以外に。さっぱりわからない。貧乏な人にも種類があって、本当に働けなくて困っている人、ワーキングプアな人、働く気のない人がいて、全員まとめて優遇する必要は無いんじゃないだろうか。働く気のない人間は、勤労の義務を果たしてないんだから、助ける必要なんてないじゃないか。
助けるなら「働く気のない人間」をふるい落とせるような別の方法でやったらいい。